ゲノムの歩き方(用語解説) > 第1世代DNAシーケンサ

ゲノムの歩き方(用語解説)

第1世代DNAシーケンサ

 サンガー法による塩基配列決定技術を、4色の蛍光色素で標識したジデオキシヌクレオチドと、ロボット技術による電気泳動と蛍光検出の自動化、情報技術による塩基同定までを自動化した装置が、第1世代シーケンサです。この手法は、国際ヒトゲノム計画の最終段階に当たる2003年頃には技術的に成熟し、現在の装置では、96検体の読み取りに約2時間かかり、1000ヌクレオチド以上の配列決定を99.9%以上の精度で実行できます。国立遺伝学研究所DNAシーケンスセンターでは、最大で数十台の装置を運用していました。

第1世代DNAシーケンサ

 技術的には完成の域に達した第一世代DNAシーケンサですが、検体の処理数が一度に96と限られていました。また、配列決定を行うための試料となるDNA分子はあらかじめ個別にクローニングしたりPCR法で増幅したりして個別に用意しておく必要があり、その段階に多大な手間と人的コストが必要でした。1回の運転に2時間を要するため、例えば10日間の連続運転を行った場合には、120回の運転で、検体数が11,000、1,100万塩基分の配列が得られる計算になります。これでも初期のDNAシーケンシング技術が1000塩基の配列を決定するのに年のオーダーを要していた事と比較すると雲泥の差であり、目的によっては十分な能力を持っています。また、高い配列精度と長い読み取り塩基長を必要とする場合には、現在でも欠かすことのできない装置となっています。本センターでは、現在7台の装置を保有しており、主にBACなどの末端配列決定やゲノムの特定領域の高精度配列決定に使用していますが、フル稼働に近い状態です。