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活動概要

設 備

キャピラリ型シーケンサ、次世代型シーケンサ、研究リソース作成保存用超低温槽および実験設備、ゲノム情報解析用計算機システムを一元的集中的に管理運用することによるスケールメリットを生かし、研究および研究経費の効率化を実現しています。

1)DNAシーケンサー(ゲノムアナライザー)

現在保有運用しているDNAシーケンサ群は、アカデミアシーケンスセンターとして2000年頃から国立遺伝学研究所に逐次整備を進めてきたもので、運用システムの確立、データ生産パイプラインの確立と効率化、データ処理パイプラインの確立と効率化の努力と経験を重ねた結果、わが国でも有数のゲノム解析施設となっています。

DNA解析技術の進展は極めて早く、装置あたりの配列データ生産能力の伸び率は、計算機工学におけるいわゆるムーアの法則を凌駕する勢いで進んでいます。また、それに伴って配列決定に要する直接経費も低下しており、これらの相乗的効果によってゲノム科学の研究手法が生命科学の多くの分野に急速に広まりつつあります。このため、大学共同利用機関である国立遺伝学研究所では、DNAシーケンスセンターで最新のテクノロジーの運用と評価に努めてきました。2007年には、超並列型ゲノムアナライザー(いわゆる次世代型シーケンサー)を国内でいち早く導入し、その後も複数の第二世代、第三世代シーケンサの導入評価と運用パイプラインの改良を続けています。

こうした一連の最先端情報および解析ノウハウは、情報・システム研究機構新領域融合センター研究、新学術研究「ゲノム支援」、国立遺伝学研究所の共同利用・共同研究等を通じ、大学等の研究者コミュニティーに広く提供することを努めています。

2)大規模ゲノムデータ解析用高性能計算機群

ゲノム情報に裏打ちされた生物学は、ビッグ・データサイエンスの代表的存在となっています。最新のゲノム解析装置は、イルミナ社製のHiSEQ2000型を例にすると、1台1回(約10日間)の運転でヒトゲノム約100人分に相当する6000億塩基対、データ数にすると約30億個のDNA分子に相当する配列データを生産することができます。

ヒトゲノムについては、1000ゲノム計画等によって既に1000人以上の配列データが公開されています。本センターにおいても、2007年以降のDNAデータ生産量が既に500テラバイト(配列データと解析データを含む)を越えています。このように、大量で複雑なゲノムデータを比較解析するためには、高性能で大容量の計算機を必要とするだけではなく、解析手法に関する知識の蓄積も重要です。本センターでは、ゲノム解析装置運転用の計算機・ディスク装置と高度解析用の計算機群を保有しており、個人ゲノムのように高度なセキュリティ対策の必要な場合には入室制限区域内に設置した専用計算機をオフライン化して使用しています。これらの専用計算機に加え、2012年3月に新規更新された遺伝学研究所スーパーコンピュータも活用しています。

*情報セキュリティについて:
ヒト個人ゲノム解析については、文部科学省特定領域研究「ゲノム4領域」が提案したガイドラインに従い、下記のようなセキュリティ対策を講じて、解析を進めています(情報の公開と共有については、今後の社会的コンセンサスと公的指針に従います)。
(1)生体認証による、ゲノム解析装置設置室の入室管理
(2)計算機とディスク装置の外部ネットワークからの隔離
(3)生体認証による、サーバ室の入室管理
(4)通信の暗号化と専用線による情報セキュリティの確保

国立遺伝学研究所は、従来の活動に支えられた豊かな研究資源とそれを有機的に活用できる先端分野の研究者を擁しており、ゲノム科学研究を戦略的に進めるうえで他にない有利な研究環境を有しています。本センターは、研究所で活動する多様な研究グループと連携し、次世代シーケンサを活用した先端ゲノミクス研究と、それに必要な研究技術開発を進めています。

ゲノム研究装置類の例